緊縮策という病 「危険な思想」の歴史
はてブで少し話題になってるこの本だが、一読の価値はありそう。ただ、解説がリフレ派の若田部昌澄っていうのがねえ・・・。金融政策を主張している学者ではなく、財政出動を唱えてきた学者に解説してもらえれば良かったのだが。
ちなみにマーク・ブライスは、フォーリン・アフェアーズ・リポートにも寄稿しており(こっちではマーク・ブリスとなっているが)ほんの僅かではあるが、その一部がウェブ上で読む事ができる。
まあ、緊縮財政が間違いというのは、ギリシャの例を見るまでもなくわかりきった話ではあるが、緊縮の思想史に触れることによって新たな発見もあるだろう。
リスクの比較
原発に関しては原子力発電所を動かすことのリスクばかりが取り沙汰されるいるが、原子力発電所を動かさないリスクについても考えないといけない。
まず、「動かすリスク」に関してだが、これは当然、原発事故のことが考えられる。日本において、原発事故というのは細かいものがいろいろあるが、大規模なものといえばやはり、福島原発事故だろう。
あのような事故が今後、起こる確率はどの程度なのか。私は専門家ではないので細かい計算はわからないが、事故の根本的な原因は1000年に1度と言われる地震によって発生した津波である。加えて、女川原子力発電所のように深刻な原発事故を起こさなかった原発もある。
さらに、今回の件を踏まえて、各電力会社が原発事故の対応をしている。ということは1000年に1度の地震が起きたとしても事故の確率が相当低くなっているということは大体、予想が付く。
次に「動かさないリスク」についてだが、これは電力供給が不足することが懸念される。我々の社会は電力に大きく依存しており、電力供給なしでは生活していくのは困難である。中東があれだけ不安定化しているのであれば、当然、中東からの輸入が滞るリスクシナリオは考えないといけない。
中東からの化石燃料の輸入で目立つのは、天然ガスの3割だろう。この3割を2016年頃から始まると言われているシェールガス革命によるアメリカからの輸入で代替するという考えもあるだろうが、やはり化石燃料頼みというのは価格の変動が激しいため、不安定である。
また以前にも述べたが、電力の場合、原油に関しては中東産ではなく、東南アジアから輸入しているため問題にはならない。ただし、車・トラックなど原油依存しているものは問題である。
加えて、資源供給途絶のリスクがあるのは中東だけではない。民族紛争、政変、国内政治の対立、戦争、自然災害、事故などあらゆるリスクが点在している。
したがって、電力においては、何か問題が起こっても他のエネルギーで代替できるように分散化しておくベストミックスが重要であり、分散してあればあるだけ良い。
原発事故の被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げるが、自分が被害に遭ったからとかそういうことではなく、もっと大きな視点、社会にとって有益なのか否か、プラスなのかマイナスなのか、ということをよく考えて頂きたい。
参考資料
福島原発事故を通じてリスクと安全を考える | nippon.com
【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[最新版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・CSR
ストーカー事件について考える
世界仰天ニュースの逗子市ストーカー殺人事件の再現VTRに触発され、ストーカー問題について考えてみる。逗子市ストーカー事件の概要はこちらから。
個人情報の漏洩
逗子市のストーカー事件では、警察や市役所など公共機関の情報漏洩が問題となったが、こういった公共機関が情報漏洩しなければ事件が起きなかったのか?というとそうことは単純ではない。
例えば、群馬県館林市のストーカー殺人事件では、被害者は、ストーカー被害から逃れるため、栃木県佐野市から群馬県大泉町に転居した。しかし、犯人が被害者の家族の車にGPS機能付き発信機を取り付け、被害者の自宅を特定し、その後、被害者の車にGPS機能付き発信機を取り付け場所を特定し、殺人に至っている。*1
また、スマートフォンの監視アプリを相手の女性にインストールさせ、インターネットを通じて通話履歴や位置情報などを取得する事案も起こっている。*2
再現VTRの逗子市ストーカー事件では、メールアドレスを敢えて変えず、犯人からのメールを受信していたが、メールもウィルスの存在を考えると安全と言えるか疑問が残る。
ストーカーへの対処
転居しても追いかけてくる相手に対し、一体、どうすれば良いのだろうか。
そのヒントは、世界仰天ニュース宛に届いた逗子市ストーカー事件の被害者の夫である男性からのメッセージにある。
もし、逮捕時に名前を読み上げなくても、役所から住所が漏れなくても、逮捕後のメールに警察や保護観察所が対応していたとしても、彼から殺意が消えない限りいつか殺されていたかもしれません。
では、相手の殺意を消すとは一体どうすれば良いのか?番組のスタジオに来た被害者の兄である男性は、ストーカーに対する厳罰化はもちろん必要だが、それだけではなくストーカーに対するカウンセリングや治療が必要と訴える。
下記リンクによるとそういった取り組みも少しづつだが、動きつつあるようだ。
ストーカー被害、加害者に治療 三鷹事件など契機に注目 :日本経済新聞
こういった意見に対し、もちろん異論はないのだが、私が1つ提案したいのは、根本的に相手に憎悪や殺意を抱かせないことである。
相手に憎悪を持たせない方法
1.別れる際にハッキリ気持ちを伝えること
2.新しい恋人の存在は伝えないこと
3.SNSなどで自分と特定される情報の公開は控えること
逗子市ストーカー事件では、再現VTRを見る限り、別れる段階で「相手に嫌いとハッキリ言わなかった」、「新しい恋人の存在を伝えた」、別れてから「SNSで情報を公開し結婚していることが漏れた」などが相手に憎悪を持たれた原因となってしまっている。
また、平塚市の殺人死体遺棄事件では、LINEのプロフィール写真に新しい彼氏とキスをしている画像を掲載したことが、相手を逆上させる原因になっている。*3
ただ、これだけやっておけば大丈夫というわけではないし、世の中、話し合いなど通用しない相手もいるだろう。そうすると次は相手が憎悪を抱き、ストーカー行為をしてくる段階に移行するのだが、こうなったらやはり警察に相談するべきだろう。
事件化してしまったものだけ見ると、警察の警告や対応は大いに不満を持ってしまうが、警察の警告によって約9割程度の行為が止まっているというデータ*4もあり、ストーカー行為者に対し抑止効果がある。
ただし、三鷹市のストーカー事件など、すでに加害者が殺意を持って動いてる場合などは警告で止まる段階ではないし、逗子市ストーカー事件でも、警告後、逮捕に至ったにもかかわらず、止められなかった。
また、9割ということは逆に言えば1割ほどは止まっていないことを示しているので、被害を受けたら早期に警察に相談することが有効ではあるものの、ストーカー対策において万全の対策ではないというのが現状である。したがって、先述したストーカーに対するカウンセリングなども含め、様々な対処を複合的に行うことが重要である。
まとめ
・インターネットやGPSなどの技術進歩によって、個人情報を秘匿するのが難しくなっている
・相手と別れる際は、誠意を持って接しつつも、ハッキリ気持ちを伝える
・相手がストーカー行為をし出したら、必ずエスカレートするのですみやかに警察や専門家などに相談する
参考資料
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SNSから情報入手 怒り覚えてストーカーになる男性が増加 - Ameba News [アメーバニュース]
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ストーカー:NPO 小早川さんインタビュー一問一答 - 毎日新聞
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