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国家が軍事力を持たないといけない理由

【西部邁ゼミナール】アジアは大火事で燃えている 2014.04.13 ‐ ニコニコ動画:GINZA

西部邁ゼミナールに国際政治アナリスト伊藤貫氏がゲストとして出演し、興味深い発言をいくつかしていたのでメモ用に文字起こししてみる。

以下伊藤貫氏の発言

 

・世界が無極化しているからこそ軍事力が意味を持ってくる

「リアリストスクール(バランス・オブ・パワーで考える)の連中は必ずしも世界の無極化という意見に賛成してないんですよ。彼らの考えではthe ultimate decisive factor 究極的に何がdecisive(決め手)か、やっぱり軍事力を持ってる国が"やれるもんならやってみろ"というところに持ち込まれて話が決着すると。」

 

「で、キッシンジャー*1が(言った)有名な・・・(話があって)、法律家が束になった法律文書を抱えて会議場に来るよりも、リボルバー持ってる奴のほうが勝ちだと。最終的には、撃つぞと言われたらもうお仕舞いだと。どんなに高邁な法律文書を何千ページ積み上げても、最終的にどっかの強い国が、この会議で決裂するなら撃つぞと、言ったらそれで終わっちゃうと。」

 

「背後に軍隊というものが控えてない外交官はどんなにソフトなスピーキング、ジェントルマンでシビライズな、文明化されたおしゃべりをしても、誰も言う事を聞かない。外交官の後ろに軍事力がバックアップであるからこそ、もっともらしいことを言うと聞いてる、聞くフリをするわけですよ。だから軍事力のバックアップのない外交官なんてのは、クリープのないコーヒーよりもっと悪いわけですね。

 

・国際政治における軍事力とは

「軍事力のことを国際政治ではthe last resortと呼ぶわけですよ、最後の手段。だから、日本は軍事力がないから会議が決裂すると困るわけですよ。だけど、中国とかロシアは困らないわけ。だからリアリストスクールの連中は(世界は)無極って言うけど、軍事力を持ってる国が最終的な決定権を持ってるし、もっと言っちゃうと相手からの要求にNOと言えるのは軍事力持ってる国なのね。で、今の世の中でまともな軍事力を持ってる国は4つか5つしかないわけですよ。全部核武装国なんです。」

 

「僕が大好きなケネス・ウォルツ*2っていうリアリストの非常に立派な学者がいるんですけども、彼はsuperiority of politics over economyと。どんなに経済が発展してもどんなに経済の依存関係が進んでも最終的にはポリティカルファクター、要するに軍事も含めた政治的な発言力というので国際政治は決まってしまうと。」

 

・ウォルツやキッシンジャーの予言

「で、ケネス・ウォルツさんは1992年ぐらいにアメリカの国益と日本の国益が同一であるワケがないと。あるワケがないのにあるフリをして日米関係を続けても最終的にはうまくいかないと。で、ウォルツさんが言ったのは、核持たないんだったら日本は独立国じゃなくなるし、どんどん国益損していくと。だからケネス・ウォルツさんは1992年に日本は核を持つだろうと風に予言したわけです。」

 

キッシンジャーも同じ頃に同じように日本は核を持たざるを得ないと言ってるわけです。結局、それは何かっていうと核を持たない限り日本は周りの国にNOと言えないと。そうすると何をやってもどんなにお金をバラ撒いても、結局は無視されると言うことなわけです。」

 

 

*1:アメリカの影響力のある著名な国際政治学者

*2:アメリカの国際政治学者。カルフォルニア大学バークレー校名誉教授。