防衛大学教授の危うい認識


【正論】日米同盟ある限り米中戦争なし 防衛大学校教授・村井友秀+(1/4ページ) - MSN産経ニュース

 

一番まずいのは、アメリカが日本のために中国と戦うと思い込んでる点。丁度、中野剛志氏の世界を戦争に導くグローバリズムを読んだところだし、それを使って説明していこう。

 

アメリカの認識

2012年12月に出されたアメリカの国家情報会議が出した報告書、「グローバルトレンド2030」には次のような記載がされているという。

1945年以降に米国主導で築いた「パックス・アメリカーナ」の世界秩序は急速に消滅していくだろう。2030年のアメリカは、諸大国の内の「同席中の首席(the first among equals)の地位に留まるであろう。*1

アメリカは2030年に向けて、覇権国家としての地位を喪失するであろうという認識なのだ。アメリカが覇権国家としての地位を失った場合、アメリカにとって何ら重要性のない尖閣諸島のために、日本を守るために戦うという選択肢を取るだろうか?残念ながら、「グローバルトレンド2030」では米中が協力するシナリオが最善とされている。つまり、アメリカは覇権国家としての地位から没落すること、それに伴い中国との対立ではなく共存を目指していることを、アメリカ政府自身が公式に認めているのだ。

したがって、日米同盟が機能した場合ではなく、リスクシナリオとしては日米同盟が機能しなかった場合について考えねばならない。そして、それは決して非現実的なことではない。

*1:世界を戦争に導くグローバリズムp23