男女格差について


女性管理職の割合が上昇しない不都合な理由 | 橘玲

 

この記事では管理職において女性より圧倒的に男性が多い理由について、"男女格差の要因として「週49時間以上働いているか」を加えると、日本企業の行動をきわめてうまく説明できる"とし、"日本の会社は性差別というよりも、労働時間によって管理職への登用を決めている"としている。

そしてそのことの問題点として、”労働時間を会社への貢献度として評価するのは、子どもを育てながら働いている女性にとってきわめて理不尽な制度”としている。

この記事で提示されているこの問題に対する解決方法は以下の2つである

 

1.東南アジアなどから大量に移民を受け入れ、気軽に家政婦を雇えるようにすること

2.男性の労働時間を女性並みに短くすること

 

1については移民・外国人労働者で社会保障がまかなえる? で示したとおり、諸外国は一部の小国の都市国家などを除き移民政策に失敗しているし、現在、移民を積極的に受け入れている日本の地域も、不就学の問題、文化の問題、納税の問題などを抱えており安易に推進すべきではない。

2についてはおおよそ同意なのだが、女性並みに短くするというよりは労働時間で差が出ないように女性と男性でフェアにするという表現のほうが正しいか。具体的に言えば、男性も女性同様育児休暇や妊婦を手助けするために産休などを取るべきだろう。

そして、1にも2にも言えることは家事・育児・出産は結婚した夫婦が協力してやるのが望ましいということだ。

 

 

女は男より頭が良い?

大学の文系学部が女子学生ばかりになったように、平均的な知能は男性より女性の方が高いとされています。知識産業で男女の競争条件を完全に平等にすれば、女性管理職の割合は5割を超えることになるでしょう。

 これはちょっとそういった認識がなかったのでパッと調べてみたが、どうもそうでないような・・・。例えば、テスト・ザ・ネイションというIQテストおよび自己分析テストを行う番組があったのだが、そこでの男女のIQの結果を簡単に示すと

2003年度 男性 106 女性 102

2004年度 男性 107 女性 104

2005年度 男性 102 女性 100

2006年度 男性 91 女性 93

と女性の1勝3敗。

 

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参考:IQテスト@2010年 : 男と女、頭がいいのはどちら? - NAVER まとめ

お次は「力脳」という無料IQテストの結果。これを見ると男性平均IQが102、女性平均IQが95となっており、IQのテストにおいてはどうも女性のほうが不利のようだ。

 

では、大学の比率はどうなのか。武蔵大学講師の舞田敏彦氏によると大学生全体の女子の割合は42.4%、東大生の女子の割合は18.5%とのこと。ちなみに東大の学部においては全ての学部が男>女で、少なくとも東大では「文系学部が女子学生ばかり」ということはないようだ。

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参考:女子大生比率は「18.5%」――データで読むいまどきの東大生【1】:PRESIDENT Online - プレジデント

 

 以上のことを踏まえれば、「知識産業で男女の競争条件を完全に平等にすれば、女性管理職の割合は5割を超える」とは言えないだろう。

 

また、この筆者は「女性管理職の割合は5割を超えること」が、「素晴らしい日本の未来であることは間違いありません」と断言しているのだが、ノルウェーの例を見るとそうなっていない。

 

ノルウェーでの実例

ノルウェーでは、03年の会社法改正により、上場企業の取締役会における女性の割合を40%以上とすることが義務づけられたことが、女性登用が企業に広がる契機となった。しかし、米・南カリフォルニア大学のケネス・アハーン助教と米ミシガン大学のエイミー・ディットマー准教授によると、03年に40%割当制の導入が決定すると、対象企業の株価は大幅に下落し、その後、数年間で女性役員比率が10%増加したことで時価総額は12.4%下落したという。負債等も大きくなり、営業成績にも悪化が見られたという。さらに、同制度の対象となるのを避けるため、09年の上場企業数は、01年から約3割減った、つまり非上場企業に転換した会社が約3割増えたという。

また、数合わせのために女性の社外取締役を増加させる事態が横行。実際に経営に携わる女性役員は6.4%にすぎないともいわれている。*1

 

女性の幸せとは

女性と男性の労働環境はもちろんフェアであるべきだが、何をもってフェアとするべきかとした場合、数字ありきで判断するのは妥当とは言えない。フェアにした結果、それでも男性の方が労働者としての能力が優れているのであれば、男性の管理職の割合が多くなるのは当然のことだからだ。それを数字ありきで無理矢理ねじ曲げ、能力の差を認めないというのは、女性の横暴であり男性に対する逆差別と言えよう。

また、安部総理の「女性が輝ける社会」云々も、何をもって幸福とするかはその女性の価値観によって異なる。管理職につく女性が必ずしも幸せとは限らないのだ。もちろん、管理職につくことを是とする女性が居ても良いが、結婚して幸せな家庭を築きたいという女性が居ても良い。安部総理の女性の雇用に対する政策は、そうした価値観を全否定しており、非常に抑圧的と言わざるを得ない。女性が何をもって幸せとするのかは政府が決めることではなく、その女性自身が決めることなのだ。