カブノミクスでは需要は増えない


株価上昇は給与上昇より資産効果大=安倍首相 | 国内政治 - エコノミックニュース

 

安倍総理は「(アベノミクスによる)株価上昇で一部の人たちだけが利益を得るのではなく、株保有者は資産が増えるので、資産効果としては給料やボーナスが 上がったよりも大きな効果があって、これが消費につながる。消費につながり、買い物すれば物を作っている人(製造業者)にすればプラスになって、それが収益になって、それが賃金になっていけば(賃金増になっていく)。企業が収益をあげるところまではきた。多くの企業は相当の収益を上げているのは事実だ。この収益が内部留保に回らずに、しっかりと賃金に転嫁されるようにしなければならない」と答えた。

 やっぱり、こういう風に考えてるんだなあ。株を保有して資産を増やす層なんて一部の富裕層で、その富裕層の消費性向は当然低いのだから、消費につながる効果も低い。

また、企業が国際競争力を高める時に何を行うかというと、海外移転と労働者のコストカットである。したがって仮に企業が収益を上げたとしても、その収益は内部留保だけでなく海外移転への投資に回る可能性もあるし、労働者のコストカットで利益を上げたのにその利益を労働者に還元などしない。

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参考:急場しのぎ…外国人労働者受け入れ拡大策 日本再生につながるはずはない (1/4ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

 

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参考:創生「日本」4月総会 講師:中野剛志京大准教授 4月26日 後編 - YouTube

特に2000年代、日本企業は世界好景気を背景に輸出主導で成長し、輸出額も大きく上昇させているが、労働分配率は全く伸びてない。これが小泉政権時代に、実感なき景気回復、格差社会と言われた由来である。

しかも、「収益が内部留保に回らずに、しっかりと賃金に転嫁されるようにしなければならない」とするなら、設備投資減税や雇用減税をしなければならないが、それらを廃止する方向で動いている。

設備投資・雇用減税廃止へ 法人税改革、企業負担公平に :日本経済新聞

ここまで頑なにトリクルダウンを信じるのは、もはや宗教である。