個人消費は減ってないので、需要は落ちていないのか?
GDP統計を見ていれば分かることだけど、個人消費はこの十数年、ずっと堅調に来てる。人口が減っている中でということを考えれば尚更。
消費以外の内需が落ち込む中で消費だけ堅調だったせいで、名目GDPに占める家計消費の割合はとんでもないところまで来ちゃっている。
家計最終消費支出だけで見ると、名目・実質ともに大きな変動はないのだが、支出の目的別に見るとそうでないことがよくわかる。
家計の目的別最終消費支出の構成(名目、単位10億円)
食料・非アルコール飲料
1994年→43,016.1
2012年→38,259.2
アルコール飲料・たばこ
1994年→8,730.9
2012年→7,302.1
被服・履物
1994年→18,257.0
2012年→9,760.5
逆に上がってるのが、住居・電気・ガス・水道と医療と保険
住居・電気・ガス・水道
1994年→54,494.2
2012年→70,984.0
医療と保険
1994年→7,987.7
2012年→12,871.0
参考資料:2012年度国民経済計算(2005年基準・93SNA) - 内閣府
ここから最終消費支出がシフトしていることが見て取れる。具体的には、少子高齢化により医療と保険が増加。その代わりに食料やアルコール、被服・履物が低下。特に、被服・履物はほぼ半減しており、明らかに消費が低下している。まさかとは思うが、医療費や光熱費が増えたから、消費需要は減っていないなどと言う者はおるまい。
また、消費支出自体に大きな変動はなく、世帯収入が減り続け貯蓄率が落ちているということは、貯蓄を削って消費し続けているというのが実態であり、これは持続可能な構造ではないだろう。