「弱肉強食が自然の摂理である」という説の間違い
るろうに剣心でお馴染みの志々雄真実。このキャラクターのセリフに次のようなセリフがあります。
所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ。
たしかに自然界は食物連鎖ですし、人間の世界では、金持ちが生き、金のない貧乏人は死ぬ。弱肉強食が成立しているように思えます。そして志々雄真実はそれを
出典:*1
と豪語しています。
しかし、それは本当に自然の摂理なのでしょうか?
適者生存
適者生存とは、哲学者のハーバート・スペンサーが発案した概念であり、それを進化論でお馴染みのチャールズ・ダーウィンが取り入れたものです。そして適者生存とは
生物は、環境に最も適したものが生き残り、適していないものは滅びる
という意味です。つまり、強い者が生き残るのではなく環境に適したものこそが生き残る。例えば、恐竜は生物のヒエラルキーでは文句なくトップクラスですが、滅びました。もし、弱肉強食が摂理であるとすれば、恐竜が滅びるはずがないのです。また、地球上には多種多様の生物が存在しています。しかし、それらの生物が全て強者のはずがありません。
というわけで、弱者がすべて食われるわけではないですし、強者が全て食えるわけでもない。ライオンでも餓死するでしょうし、ウサギでも戦略次第では生き残ることは可能なのです。人間にしても社会というツールによって繁栄していますが、完全な自然の中では生き残れない弱者です。また、エボラ出血熱を凌ぐようなパンデミックがあれば、瞬く間に滅んでしまう可能性もあるのです。その時は、人間が環境に適応できなかったということになるのです。
参考