人口減少と経済成長

f:id:zef:20140513183540j:plainVol.9 「人口減少と経済成長」~少子高齢化は避けられないのか~ - 社長の「雑観」コラムより

 

年次経済財政報告

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je03/03-00302.html

第3-2-3図

http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je03/03-3-2-03z.html

●人口減少と経済成長
 最初に、人口の減少が経済成長率にどのような影響を及ぼすかについての手がかりを得るため、OECD諸国における1971~2001年の期間における人口増加率と経済成長率の関係をみてみよう(第3-2-3図)。 これによれば、両者には緩やかな正の相関関係がみられる。これは人口増加が労働力投入の増加を通じ経済の供給力を拡大させること等による、当然の結果であるといえる。このような結果は、人口増加率が鈍化したりマイナスになるなかで、他の条件が一定であれば、経済全体としての成長率も低下ないしマイナスにな る可能性が高いことを示唆する。
 しかしそれと同時に、全体を通じてみられる傾向線からの各個別国のかい離も比較的大きくなっており、人口増加率は一国全体の経済成長率を決定す る上で重要な要因の一つではあるものの、資本ストックや技術水準、人的資本といった他の経済の基礎的諸条件も同様に重要であることが分かる。
 そこで、同じサンプルを用いて人口増加率と一人当たり経済成長率の関係をみると、全体として正の相関がみられなくなる(前掲第3-2-3図)。これは、一人当たりGDPの成長率は人口増加率とは無相関であり、他の経済の基礎的諸条件の高低によって決定されることを示している。