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人口減少=国力低下がデタラメと言える3つの理由

今回は、真面目な話。

労働力確保のため移民の積極的な受け入れをと石原慎太郎
http://www.news-postseven.com/archives/20140603_255518.html

──安倍首相が「外国人材の活用の仕組みを検討」するよう指示した。どう評価するか。

石原:人口は国力と言い換えてもいいものです。このまま人口が減少すれば、国力の低下は必至です。現状がどうにもならないのだから労働力確保のためにも、移民を積極的に受け入れるべきだ。私は10年以上前から移民が必要だと説いてきました。政府の検討開始は遅すぎたくらいです。

 

一体どういう根拠を持ってこんなことを言っているのか不明だが、


1.人口減少していても経済成長している国はいくらでもある

f:id:zef:20140603200310p:plain

~廣宮孝信の「国の借金新常識」より



2.一人当たりのGDPと人口増減は無相関(参考:人口減少と経済成長

3.人口が多い国が必ずしも発展してるわけではないし、人口が少ない国が発展途上国というわけではない

以下3を実証するデータ

人口上位のGDP
パキスタン
人口6位 GDP45位
http://ecodb.net/country/PK/

ナイジェリア
人口7位 GDP38位
http://ecodb.net/country/NG/

 

GDP上位の人口
ドイツ
GDP4位 人口16位 
http://ecodb.net/country/DE/

イギリス
GDP6位 人口22位
http://ecodb.net/country/GB/

カナダ
GDP11位 人口36位 
http://ecodb.net/country/CA/

 

なぜ人口が多いのにGDPが伴わないのか。
なぜ人口がさほど多くないのにGDPは世界トップクラスなのか。
これについて滋賀大学准教授である柴山桂太氏が明快な回答をしてくれている。
以下引用

「人口が多ければ消費者がたくさんいるから発展する」という理屈ですが、人口が多ければ発展するなら苦労はしない。消費が多ければ経常収支は赤字になりやすいし、格差は広がりやすいし国民の連帯も難しくなる。人口大国には利点と同じかそれを上回る欠点があるのです

現に日本だって19世紀の開国時には人口大国だった(1860年の時点で日本3300万人に対し、イギリス2800万人、アメリカ3100万人)。発展段階はまだ低いのに、人口は多いというところから出発していろんな苦労を重ねてここまで来たわけです。

人口大国だから発展するというなら、ではなぜ資本主義はオランダやイギリスなど、ヨーロッパでも人口の少ない国で発展したのかと思いますね。イギリスはフランスに比べれば人口小国で、産業革命が起こるまでは辺境の田舎国家でしかなかった。アメリカだって同様です。だから、重要なのは数ではなくて国民の政治的・経済的組織力で、それが発展の原動力なんです。*1

 
また、GDPはもう古い? 「包括的な豊かさの指標」を国連が発表によると、「負のインパクトが大きいのは人口爆発」とし、「人口が多すぎるとやはりサステナブル(持続可能な経済成長)にはならない」としている。

ちなみに社会保障だとか年金制度云々は、出生率を回復させねばならず、それには若者の所得を回復させる必要がある。賃金が低くては結婚も出産もできないからだ。

加えて移民を導入し、労働生産人口を増やすことは、労働力の過剰により賃金低下を招く。これは出生率回復とは全く逆の政策であり、これではますます社会保障制度は壊れていくし、そもそも日本人が貧困化していく。

一国を担う政治家や官僚が人口減少=国力低下などというお粗末な考えを持つのは、改めて頂きたいところだ。

*1:中野剛志、柴山桂太、施光恒共著~まともな日本再生会議より