足立区の取り組みから学ぶ、おいしい学校給食


今度は「ふりかけ」で議論 橋下市長、不評の中学校給食の実情に驚く(1/2ページ) - 産経WEST

 

給食に「ふりかけ」を使うかどうかが問題になっているらしい。しかし、これは根本的に給食をおいしくしなければ解決しない問題である。そこで、日本一おいしい給食作りに取り組んでいる足立区の給食について紹介していく。

 

なぜおいしい給食が必要なのか

足立区の給食は、できたてを提供するために各校調理方式をとり、天然だし・薄味を基本とし、すべて食材から調理しています。また、各校に配属された栄養士が、献立に工夫を凝らし、味つけや塩分量を管理しています。

しかしながら平成20年の調査では、小学校で平均9%、中学校で平均14%の食べ残しが報告されました。せっかくの給食も子どもたちに食べてもらえなければ意味がありません。そこで、区では子どもたちにもっとおいしく給食を食べてもらうための取り組みを始めました。

この取り組みは、子どもたちの好きなものだけをメニュー化したり、贅沢をさせるという主旨では決してありません。給食を通じて、生産者や調理師さん 方に対する感謝やバランスよく食べる事の重要性、栄養に関する基礎的な知識などを子どもたちに学んでもらいながら、おいしく感じる給食を提供したいとの思いから出発した施策です。

 

出典:足立区/おいしい給食の取り組み

 

目的

(生きる力:生活習慣病予防)身体にとって大切な食べ物を知り、選ぶことができる。
(感謝の気持ち)自然の恵みや料理を作ってくれる人等への感謝の気持ちをもつ。
(給食時間の充実)給食の時間を楽しみ、意欲的に食べ、心を豊かにすることができる。
(残菜ゼロ)残菜率の低下

 

出典:足立区/おいしい給食の取り組み

献立の豊富さ

「えびクリームライス」「ドライカレー」「きのこのトマトソーススパゲッティ」「キャベツのホイコーロー」――。足立区の学校給食がすごいことになっている。献立を見てみると、一般のレストランで出てきそうなメニューがズラリと並ぶ。

 

出典:足立区を根こそぎ変える「給食革命」 | この街の論点! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

楽しく食べられる工夫

味はもちろんおいしいに越したことはないですし、メニューもバラエティに富んだものを提供するのは大切ですが、子どもたちをじっくり観察していると、「食べさせようとする雰囲気づくり」も非常に重要なことがわかりました。

そこで、各学校ではいろんな工夫をしています。バイキング形式で実施したり、クイズで食の話題を提供したり、シチューやカレーの中にハートマークのニンジンをほんの少しだけ入れるなど、楽しく食べられる工夫をしています。

 

出典:足立区を根こそぎ変える「給食革命」 | この街の論点! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

単に残菜を減らすことが目的ではない

担任の先生が教室で食べずに、別の場所で食べるなんて、もう論外です。一緒に食べながら、毎日生徒の様子をみて、「○○くん、嫌いなものが食べられたかな」とか、「頑張ってるね」とか声をかけることが大切です。

栄養士さんがそれぞれの教室を回ってメニューや食材について説明したり、食べ残しの少なかった教室を表彰したり、そういったいろいろな取り組みをしている学校が、やはり給食の残菜も減っているのです。

そのためには、校長先生がリーダーシップをとって、担任の先生や教職員を説得して動かしていく必要があります。これは学校経営と同じこと。実際に、給食の残菜が減っている学校は、子どもの学力も同じように伸びている、と聞いています。

そういった意味で、この事業は単に、給食の味付けをよくするとか、残菜を減らすとか、そのような表面的なことではなく、その裏にある「教育」や「健康」に関することのほうが重要なテーマだと言えます。

 

出典:足立区を根こそぎ変える「給食革命」 | この街の論点! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

足立区の取り組みの結果

まず、肥満傾向が落ちています。中学1年生の男子生徒は肥満率が2007年の4.56%から12年には2.71%に、女子生徒は同3.02%から1.30%に大きく下がりました。

 

子どもの体力も上昇傾向にあります。2013年の小学校の体力・運動能力については過去3年間と比較して、「上体起こし」や「反復横跳び」などほとんどの項目で過去最高値を記録しました。中学校でも同様に、上昇傾向にあることがわかりました。

 

残菜も減りましたね。事業を始めた当初は小学校で7.5%、中学校で13.1%、これはトン数で言うと341トンにもなります。これがすべてゴミでしたか ら。それが今では(2012年度末時点)、小学校で3.7%、中学校で7.8%、トン数で言うと197トンまで急減しました。

 

出典:足立区を根こそぎ変える「給食革命」 | この街の論点! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

 というわけで、大阪のどこかの市長さんも少しは足立区の取り組みを見習ってみてはどうだろうか。