保育所と騒音問題

ひるおび!でちょっとやってたので、メモがてら思ったことをつらつらと。放送の概要は下記リンクと似たようなものなので、これを読めば把握できると思う。

保育所は迷惑施設か<上>福岡県古賀市の新設保育所の場合 反対運動で高さ3メートルの防音壁 - 西日本新聞

老人の問題ではない

まず、この問題はなぜかすぐに「老人の寛容性がなくなった」とか、「老害」とか、老人に問題が転嫁されがちだが、全く異なる。老人だろうが、老人でなかろうがうるさいものはうるさいからだ。

昼間に家にいることが多いのが高齢者ということであって、仕事のシフトで休みが平日だったり、夜勤者だったりすれば若者でも反対するだろう。老人がどうこうというのは、論点のすり替えでしかない。

どの程度の実害があるのか?

では、一体どのくらいうるさいのか?下記リンクでは実際に幼稚園の近隣に住んだ人がレポートしてくれている。

「保育園の隣に住むのは発狂レベルの騒音だった」という話 | sanmarie*com

抜粋するとこんな感じだ。

平日の幼稚園。

「うるさい」なんてもんじゃない。

ほんっとに発狂レベルでした。

朝は午前八時前から教室の窓全開でキッズ音楽の大放送。

子供が登園する頃には ドォォォォォォン と、子供が高い所から飛び降りる音。

ギャーーーッ、ウェェーーーーーーン。

泣き声や叫び声も半端ないです。

10時になれば、先生のピアノに合わせて大合唱。

その次は、ダンス。

私の部屋はフローリングでしたから、ローソファーに座っていても地響きのような振動が伝わってくる。

そして、ようやく園児が帰ったと思ったら、今度はママさんコーラス!

それも夜九時頃まで、窓全開で、ピアノ演奏に合唱。

二ヶ月ぐらい我慢してましたけど、三ヶ月目に耐えきれず、引っ越しました。

窓を閉め切っても、「ドォォォォン」「キャハハハーーーーーッ」「ドレミファソラシドォ~~」。

春のお天気日和、こちらも窓を開けて風を入れたいのに、あまりのうるささに窓が開けられない。

夜ぐらい、ゆっくりご飯を食べたくても「ドレミファソラシドォォォォォ~」。

食欲も失せますよ。

 これだけでも察してあまりある。この人は転居して個人レベルとしては問題解決したが、持ち家など転居できない場合もあるため、「転居すれば良い」は1つの手段ではあるが、もちろん抜本的な解決策にはならない。

ちなみに私の家の近隣にも歩いて5分ほどのところに小学校がある。子供の声は聞こえないが、チャイムは聞こえるし、運動会の時なども確かにちょっとうるさい。ただ、私の場合はそのチャイムと運動会ぐらいで、チャイムがひっきりなしに鳴り続けるわけではないし、運動会も年に1回だけなので特に問題とは感じていない。しかし、あれが年中、しかももっと距離が近かったとしたらやはり迷惑だと感じてしまうだろう。

子供だから騒音はOK?

それとこの問題のもう1つの論点のすり替えの代表例は「子供なんだから良いじゃないか」という論調。いや、子供だから良いとか悪いとかそういう問題ではないのだ。「騒音」が問題なのである。それが「騒音」である限り、「騒音」の原因がなんであれ、うるさいものはうるさいのだ。子供だからうるさくないとか、子供なんだから許されるとかそういう次元の話ではないのだ。

実際、上記のリンク先の筆者も次のように述べている。

「子供にやさしくない」と批判する人もありますが、だったら幼稚園の真向かいや真隣に住んでみて下さい。きっと三ヶ月で嫌になると思います。

「子供がかわいそう」というなら、心拍上昇や不眠、吐き気などに悩まされている住民の苦痛はどうなるのか。

近隣住民にも静かに暮らす権利があるのです。 

 解決策

この問題の解決策はシンプルで、 騒音のレベルを客観的に計測し、一般的に工場などに課している基準に照らし合わせて、然るべき配慮をする、ということだ。

地域で協力していくことや挨拶、根回しなどももちろん重要だと思う。しかし、夜勤やら平日休みやらで多様化したライフスタイルの住民がいる現代の社会では、それだけでは解決にはならないのではないか。

やはり、根本的には騒音を然るべき基準に抑えるということが重要だろう。

 

参考資料

http://b.hatena.ne.jp/entry/sanmarie.me/souon

保育所作りたくても… 住民が騒音など懸念、延期相次ぐ:朝日新聞デジタル

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASH3W76FKH3WUTIL04M.html

話せばわかる?園の「騒音」 ジャーナルM - MOM’S STAND(エムスタ):朝日新聞デジタル

保育所は迷惑施設か<下>福岡市博多区の「隅田保育園」 寄り添い 築いた 信頼関係 - 西日本新聞

【騒音問題】保育園の建設に反対しているのは「老害」ではない - Togetterまとめ

東京都、「子どもの声」を騒音規制の対象外へ 保育園等の近隣住民から訴訟相次ぐ | ビジネスジャーナル

 

緊縮策という病 「危険な思想」の歴史

はてブで少し話題になってるこの本だが、一読の価値はありそう。ただ、解説がリフレ派の若田部昌澄っていうのがねえ・・・。金融政策を主張している学者ではなく、財政出動を唱えてきた学者に解説してもらえれば良かったのだが。

ちなみにマーク・ブライスは、フォーリン・アフェアーズ・リポートにも寄稿しており(こっちではマーク・ブリスとなっているが)ほんの僅かではあるが、その一部がウェブ上で読む事ができる。

緊縮財政という危険思想

まあ、緊縮財政が間違いというのは、ギリシャの例を見るまでもなくわかりきった話ではあるが、緊縮の思想史に触れることによって新たな発見もあるだろう。

リスクの比較

原発に関しては原子力発電所を動かすことのリスクばかりが取り沙汰されるいるが、原子力発電所を動かさないリスクについても考えないといけない。

まず、「動かすリスク」に関してだが、これは当然、原発事故のことが考えられる。日本において、原発事故というのは細かいものがいろいろあるが、大規模なものといえばやはり、福島原発事故だろう。

あのような事故が今後、起こる確率はどの程度なのか。私は専門家ではないので細かい計算はわからないが、事故の根本的な原因は1000年に1度と言われる地震によって発生した津波である。加えて、女川原子力発電所のように深刻な原発事故を起こさなかった原発もある。

さらに、今回の件を踏まえて、各電力会社が原発事故の対応をしている。ということは1000年に1度の地震が起きたとしても事故の確率が相当低くなっているということは大体、予想が付く。

次に「動かさないリスク」についてだが、これは電力供給が不足することが懸念される。我々の社会は電力に大きく依存しており、電力供給なしでは生活していくのは困難である。中東があれだけ不安定化しているのであれば、当然、中東からの輸入が滞るリスクシナリオは考えないといけない。

中東からの化石燃料の輸入で目立つのは、天然ガスの3割だろう。この3割を2016年頃から始まると言われているシェールガス革命によるアメリカからの輸入で代替するという考えもあるだろうが、やはり化石燃料頼みというのは価格の変動が激しいため、不安定である。

また以前にも述べたが、電力の場合、原油に関しては中東産ではなく、東南アジアから輸入しているため問題にはならない。ただし、車・トラックなど原油依存しているものは問題である。

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加えて、資源供給途絶のリスクがあるのは中東だけではない。民族紛争、政変、国内政治の対立、戦争、自然災害、事故などあらゆるリスクが点在している。

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 出典:エネルギー安全保障について

したがって、電力においては、何か問題が起こっても他のエネルギーで代替できるように分散化しておくベストミックスが重要であり、分散してあればあるだけ良い。

 原発事故の被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げるが、自分が被害に遭ったからとかそういうことではなく、もっと大きな視点、社会にとって有益なのか否か、プラスなのかマイナスなのか、ということをよく考えて頂きたい。

 

参考資料

福島原発事故を通じてリスクと安全を考える | nippon.com

【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[最新版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・CSR