親が高学歴なら子どもの成績も良いのは遺伝が要因?
まあ、要は「親の経済力が高いと子供の成績が良いのは遺伝が要因」という内容の記事。例えば、こういう主張がある。
格差を防ぐには、教育によって社会的流動性を高めることが重要だとされてきた。
しかし、社会的流動性が高いと思われてきたアメリカでは、低所得者層の大学進学率が10~20%であるのに対し、上位25%の子供の大学進学率は1970年以降、40%から80%に倍増した。
ハーバード大学の学生の親の平均年収 が45万ドルといった顕著な例があるように、金持ちの子が金持ちになる比率が極めて高いのだ。
出典:『日本人のためのピケティ入門』要約まとめ | bizpow(ビズポ)
こう言ったことの主な要因が遺伝ということだそうな。
では、社会的流動性が高いデンマークやスウェーデンの場合、一体どう説明するんだろうか。まさか、デンマーク人やスウェーデン人だけ、能力が遺伝しないとでも言うつもりか(笑)。
もし、主に遺伝によって能力の大小が決まるのであれば、あらゆる国の社会的流動性は低いはずである。しかし、実際には国によって社会的流動性には差がある。
所得格差と社会的流動性
もう何回も書いているが、極端な所得格差は社会的流動性を阻害する。それを示すグラフが下記のグレート・ギャツビー・カーブである。
また、ノッティンガム大学名誉教授のリチャード・ウィルキンソンによれば、「アメリカン・ドリームを叶えたいなら デンマークに行くべき」だという(笑)*1。すなわち、アメリカでは、極端な所得格差が社会的流動性を阻害し、アメリカン・ドリームは起きづらい。逆に、格差の小さいデンマークは社会的流動性が高いため、アメリカン・ドリームを起こしやすい。
似たようなことは、CNN.co.jp : アメリカンドリームの実現、日本よりも難しい? 国際調査でも言われている。
別に能力主義を否定しようというわけではない。公正な競争の結果としての格差であれば、人の能力には個人差があるので、ある程度は仕方がない部分もある。
ただし、極端な所得格差によって公平な競争環境が阻害されているというのであれば話は別だ。産まれてくる子供は家庭環境を選ぶことはできない。したがって、たとえ貧しい家庭に生まれたとしても、能力や努力によって高学歴、高収入になれる社会的流動性が高い社会こそが、望ましい社会ではないだろうか。