日本が農産物の輸出で成功が難しい理由

激論コロシアム 7月5日2014 (1_6) 「農協」 - YouTube

この中で、農産物を輸出して農業を強くするという、よく言われてる意見を耳にしたが、結論から言うと無理がある。

まず、穀物の場合、これは単価が安いので薄利多売が出来る広大な土地を持つところが有利となる。

例えば、世界のとうもろこしの輸出量はアメリカ33%。ついでブラジル18%、アルゼンチン16%と国土面積が大きいところがシェアを締める。*1

小麦はご覧のとおり。アメリカ、EU、カナダ、オーストラリアとやはり広大な面積を持ったところが優位。

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米に関してもインドが1位だが、ベトナムやタイなど日本とさほど変わらない国土面積の国が上位に来ているので、可能性を感じなくはないが、コスト面でやはり問題があるようだ。*2

 

というわけで野菜や果物などを、高付加価値品として売っていくのがベターな方法になるのだが、1つ問題がある。鮮度の問題である。例えば、葉物野菜などは穫ったその瞬間から痛みはじめて数日後にはヘタへタになる。モノにもよるが、果物にしても腐ってしまうという問題があるので、海に囲まれた我が国の場合、根本的に輸出に向かないという側面がある。もちろん、コスト面でも不利だ。

 

日本の場合、日本が最大の消費地のため、輸出に特化するよりはまず、日本人に農産物を売るという足もとを固める戦略のほうが向いている。ただ、これに関して「日本はこれから人口減少するから需要は減っていく」という意見が出ると思うが、それに関しては別項(人口減少=国力低下がデタラメと言える3つの理由 )で扱ったのでそちらを参考にして頂きたい。

兎にも角にも、日本の多くの農産物は輸出に向かないので、まずデフレから脱却し内需を回復・拡大することが望まれる。

 

参考:

オランダ農業が日本農業の参考にならない理由 - バッタもん日記

オランダが農業輸出国である理由から日本の農業政策を考える - 政治の話でもしようじゃないか